【中学受験】国語の問題で出典されそうな本を見つけました<テーマ 命の大切さ>

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こひめ
こひめ

私立中高一貫校の国語の試験はもちろん、
大手塾や模試などでも国語は
必ず現在世に出ている
数多の本の中から選ばれ、
問題にされます。

問題に使用される本は
何でも良いわけではなく、
その学校によって意図があり、
学校によって変わっています。

私が中学受験を通して学び、
”この本は使われるかもしれない”と
感じた本をご紹介します。


・中学受験を考えている小5~6年生
・中学生や高校生


・クラスに中学受験に挑戦している友だちが
いるが最近元気がないように感じる


・先生を目指している大学生
・今教壇に立っている先生


・子どもをもつすべての親御さん


におすすめの記事です。

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何を基準にして本を選んだか

中学受験の問題は
各学校で出題傾向が違います。

入試は各学校からのラブレターと言われるくらい
出題傾向も答案用紙も違います。

最近は1教科受験も増えてきていますし、
試験も多様化しています。

国語の試験ではたいてい、
物語文と説明文(論説文)の二作が
出されます。


私たち家族は
キリスト教の学校大学附属校
受験でしたので、
名門校や進学校は分析していません。

キリスト教系の学校についての記事はこちら



キリスト教の学校の出典で多いと感じたのが、
『命』『幸せ』について
書かれた本が多いこと。


大学附属校は各学校ごとに色々ですが、
本の主人公が受験生に近い年齢のもの
出題が多かったように思います。

なので、今回は「命の大切さ」
中心テーマに選びました。

今西 乃子 『命の境界線 保護されるシカと駆除される鹿』

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あらすじ

環境と命を考えるノンフィクション。

みなさんが修学旅行で訪れる奈良公園のシカと
有害獣として駆除される鹿。

同じ野生のニホンジカなのに、
命の扱いは同じではありません。

保護される命とは? 奪われる命とは?

野生動物の「命」と向き合う現場から、
人間と野生動物の共存とは何か考える1冊。

2021年5月発行

著者 今西 乃子

児童文学作家。
公益財団法人 日本動物愛護協会理事。

著書『ドッグ・シェルター』(金の星社)で、
第36回日本児童文学者協会新人賞を受賞。

執筆の傍ら、愛犬・未来をテーマに
小・中学校を中心に『命の授業』を展開。
その数2018年に240校を超える。

主な著書:
捨て犬・未来シリーズ(岩崎書店)『犬たちをおくる日』(金の星社)、
『子ねこリレー大作戦』
『命のものさし』(合同出版)など多数。

児童文学者協会会員。

読んだ感想


「奈良のシカ(奈良公園にいるシカ)」も
野生の『ニホンジカ』なんですね。


私は奈良が好きで
何度も会いに行ったことが
あるのですが、

人慣れはしているし、
観光客からたくさん鹿せんべいをもらいながら
生きている気がして
「野生動物」という概念が
私にはなかったです。


奈良公園の鹿はその周りに住んでいる
人間の力で保護されるけれど、

極端な話、奈良公園から一歩出たら、
有害獣ゆうがいじゅう』となり駆除の対象となる

主に有害獣とされるのは、イノシシやサル、ニホンジカ。


逆にもしも他県のニホンジカが
奈良公園に一歩踏み込んだら、
今度は手厚い保護対象となるのです。

現実ではニホンジカの行動範囲は5km~10kmらしいので
自力で移動してくることはまずありえないらしいです。


共に同じ『ニホンジカ』なのに、
住んでいる場所によって
保護される対象か、殺される対象かが
分かれるのです。

未来を見据えた駆除


有害獣から農作物を守るためだけではなく、
もっと先の未来のことを考えた駆除が存在することも
初めて知りました。

ニホンジカの適正な生息数は
1㎢(平方キロメートル)あたり3~5頭。
その数を越えてしまうと自然環境に影響が及んでくると
試算されているようです。

ニホンジカの天敵であった
ニホンオオカミの絶滅により命が失われることが減り、
なおかつニホンジカは2歳以上のメスがほぼ
毎年1頭の子どもを産むので
短期間でその数が
どんどん増えていってしまう。

でもニホンジカはもともと人間を恐れる生き物で
警戒心がとても強い。
そんな鹿が山から下りてきて
田畑を荒らすようになってしまったのは
なぜなのか?



野生動物と共存していく道はあるのか?

その道筋と問題点などが
写真や図とともに
とても分かりやすく
書かれています。

「鹿を有害獣として駆除するのは、
もちろん農作物を守るという目的もありますが、
それだけではありません。

林業を守り、野山を守り、
この町の本来あるべき姿を守っていくためでもあるんです」

中略

「農作物の被害額なら、わかりやすく算出できますよね?
ところが、自然破壊はお金に換算することができません。
これから10年先、20年先にどうなって、どれだけ私たちの生活に影響が出るのか、
簡単には算出できない。
住民の多くは農作物がぶじならばこの問題は終わったと思っている。
自然環境の破壊というお金に換算できないぶん、軽視されてしまうんです。
でも、それは大まちがいで・・・・・・それが、こわいんです」

今西乃子「命の境界線 保護されるシカと駆除される鹿」より

ゲリラ豪雨や線状降水帯などで
山が崩れたというニュースも
よく見るようになりました。

そのきっかけになっているのではないかと
思わざるを得ない文章でした。

「一度壊れたものを、元に戻すのには、
それと同じだけの時間・・・・・・
いや、その倍以上の時間がかかるんです」

今西乃子「命の境界線 保護されるシカと駆除される鹿」より

とても考えさせられる本でした。

〇自然が好きな子
〇小学校高学年~


にはおすすめですが、

〇鹿の解剖の写真がある
〇ワナにかかったときの命の奪いかた


などの描写があるので、
HSCの子にはちょっと辛いかもしれません。

今西乃子さんの他のおすすめ本

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金の星社
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おすすめ

2020年 湘南白百合・東明館にて出題(日能研調べ)

小4・ニノ姫
小4・ニノ姫

ちょっと意味がわかんなかった

小6・一ノ姫
小6・一ノ姫

良いお話だった~。
でもちょっと難しかった

2018年 聖霊にて出題(日能研調べ)

なりゆき わかこ『多摩川にすてられたミーコ』

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読んでみようかなと思ったら

『多摩川にすてられたミーコ』
2018年 中村にて出題(日能研調べ)

あらすじ

子ねこのぼくは、ある日家から連れだされ、
気がつけば、多摩川に置きざりに…!

そんなぼくをひろってくれたのが、
土手の下にすむホームレスの“おっちゃん”。

ミーコと名づけられ(男の子なのに!)
ぼくと同じく、おっちゃんにひろわれた
白ねこの“たまさん”と一緒に暮らすことに。

意地悪な人間もいるけど、みんなで肩をよせあい、
お互いを思いやりあう温かく楽しい日々。

けれど、ある日大きな台風がやってきて…!?

著者 なりゆき わかこ

児童文学作家。東京都出身。
慶應義塾大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

読んだ感想

ニノ姫
ニノ姫

猫の目線から書かれていて面白いよ。
感動するお話。

工藤純子 『だれもみえない教室で』 

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あらすじ

「よくあるよね。大人に無理やりあやまらされたり、
握手させられたり。
本人同士は納得していないのに」

「なんで、そんなことになるんだろう」
「まあ、問題を大きくしたくないとか、
さっさと終わらせたいとか……大人の都合もあるよね」

オレたちの気持ちは、
いつもどこかに置き去りにされたままだ。

工藤純子 『だれもみえない教室で』本文より

小6のクラスで起きた、
ランドセルに金魚のエサが入れられるという事件。

被害を受けた子も、エサを入れた子たちも、
いじめが起きている空気を感じつつ
声をあげられなかったクラスメートも、

そして、加害者としていじめに荷担した
過去を持つ担任の教師だって、
いじめという「現実」からはけっして逃れられない――。

痛烈なメッセージが込められた一冊です。

2023年1月 発行

著者

工藤純子(クドウ ジュンコ)

東京都生まれ。
2017年、『セカイの空がみえるまち』(講談社)で
第3回児童ペン賞少年小説賞を受賞。

おもな作品に、『となりの火星人』
『あした、また学校で』
『サイコーの通知表』(以上、講談社)、

『てのひらに未来』
『はじめましてのダンネバード』
(ともに、くもん出版)、

「恋する和パティシエール」
「プティ・パティシエール」シリーズ
(ともにポプラ社)、

「リトル☆バレリーナ」シリーズ(Gakken)、

「ミラクル☆キッチン」シリーズ(そうえん社)などがある。

日本児童文学者協会会員。
全国児童文学同人誌連絡会「季節風」同人。

表紙 :田中達也(タナカ タツヤ)

ミニチュア写真家・見立て作家。
1981年、熊本生まれ。

2011年、ミニチュアの視点で
日常にある物を別の物に見立てたアート
「MINIATURE CALENDAR」を開始。

田中達也さんは本の表紙を担当されることも多いです。かわいいです

読んだ感想

私立中高一貫校の入試でも
出典されることの多い工藤純子さん。

小学生の生きづらい現実に寄り添った作品が多いので
国語で出題されることがあるのかもしれません。

登場人物それぞれの視点で章が変わります。

ほんの少しの勇気があれば
誰も傷つけなかったのかもしれない。

ほんの少しの思いやりがあれば
誰も傷つけなかったのかもしれない。

ほんの少しの優しさがあれば
誰も傷つかなかったのかもしれない。

登場人物それぞれが本当にあと少し
勇気を出して踏み出せていたら
現実は変わったのに・・・・・・と
思ってしまいました。


大人であっても、
それがたとえ学校の先生であっても、
子どもの頃に経験した痛みは消えません。

最後はみんなそのほんの少しの勇気を
持てるようになるので、
読んだ後はすっきりしました。


もし同じような境遇に
出あうことがあったら、
救われる結末を迎えた彼らのことを
思い出して、勇気を出してほしいです。

工藤純子さんの他のおすすめ本

『となりの火星人』
2019年 学習院女子にて出題(日能研調べ)

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講談社
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『あした、また学校で』
2021年 市川中、関東学院中、駒場東邦中、東成徳中にて出題(日能研調べ)

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講談社
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『サイコーの通知表』
2022年 昌平中、東明館にて出題(日能研調べ)

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・現在中学生、高校生


・クラスに中学受験に挑戦している友だちが
いるが最近元気がないように感じる


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にぜひ読んでほしいおすすめの一冊です。


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念のためお断りをいれますが、
本当に試験で出題されるかは
わかりません。

が、
どの本も『命』について書かれた
とても考えさせられる本です。


興味を持てる本と出会える
きっかけになり、
家族で本の感想を話してもらえたら嬉しいです。


それではまた。
ここまで読んでいただき
ありがとうございました。

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