青山美智子『木曜日にはココアを』を読んだ感想

時間のないあなたへ
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こひめ
こひめ

読んだ後は爽やかな、温かい気持ちになります。

一章一章違う人が主人公になるので
読みやすいと思います。

小説にまだ慣れていない方にオススメです。

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あらすじ

僕が働く喫茶店には、不思議な常連さんがいる。
必ず木曜日に来て、同じ席でココアを頼み、エアメールを書く。
僕は、その女性を「ココアさん」と呼んでいる。

ある木曜日、いつものようにやって来たココアさんは、しかし手紙を書かずに俯いている。
心配に思っていると、ココアさんは、ぽろりと涙をこぼしたのだった。

主夫の旦那の代わりに初めて息子のお弁当を作ることになったキャリアウーマン。
厳しいお局先生のいる幼稚園で働く新米先生。
誰にも認められなくても、自分の好きな絵を描き続ける女の子。
銀行を辞めて、サンドイッチ屋をシドニーに開業した男性。

人知れず頑張っている人たちを応援する、一杯のココアから始まる温かい12色の物語。

青山美智子『木曜日にはココアを』裏表紙より



著者について

青山 美智子(あおやま・みちこ)

1970年生まれ、愛知県出身。
大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。
2年間のオーストラリア生活ののち帰国、上京。
出版社で雑誌編集者を経て執筆活動に入る。

第28回パレットノベル大賞(小学館)佳作受賞。
『木曜日にはココアを』(宝島社)で小説家デビュー。
同作と2作目『猫のお告げは樹の下で』(宝島社)が
未来屋小説大賞入賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

読み終えた感想

青山美智子さんはこの『木曜日にはココアを』で
小説家デビューされたそうです。


「マーブル・カフェ」という隠れるように営業している
我が家のそばにあったら私も絶対常連になっているだろう
素敵なカフェでのお話です。

この小さなカフェを訪れるそれぞれのお客さんの
お話が12話続いていきます。



面白いポイントは、前のお話に出てきた人が
次の章の主人公になるというリレー形式のような物語です。

一章ずつは短いので、読みやすく一ノ姫やニノ姫も読めそうです。


本の表紙がインスタフォロワー数200万人のミニチュア写真家・田中達也氏が
手がけていて、かわいいので興味がわきます。

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おすすめ


辻村深月さんといい、この青山さんといい、小説家さんの中には
同じシリーズをたくさん出されている方がいます。

そうすると、読む順番があったりするんですよね。

できればネットで調べて出版年順に読めばよいのでしょうが、
題名だけでは判断できないときもあります。

この『木曜日にはココアを』もそのようなシリーズです。
最初に読んでおきましょう(笑)

青山美智子 作品リスト

出版年出版社題名場所キーポイント
2017年宝島社『木曜日にはココアを』マーブルカフェ
2018年宝島社『猫のお告げは樹の下で』神社ミクジと呼ばれている猫
2019年宝島社『鎌倉うずまき案内所』
2020年宝島社『ただいま神様当番』バス停ジャージを着た神様
2020年ポプラ社『お探し物は図書室まで』図書室羊毛フェルト
2021年宝島社『月曜日の抹茶カフェ』マーブルカフェ
2021年PHP研究所『赤と青とエスキース』
2022年宝島社『いつもの木曜日』マーブルカフェ
2022年ポプラ社『月の立つ林で』
※青字は私が読んだ本

こひめのグッときたポイント

「いつもの場所です。
好きなところにいるだけで、元気になることもあると思います」

青山美智子『木曜日にはココアを』より

これはマーブル・カフェの中で
いつも決まった席に座る気になるお客さまに対して
働いている男の子が話す言葉です。

好きなところにいるだけで元気になる。
わかります。

カフェとかってお気に入りの席ありますよね。
そこに座れないとなんか落ち着かないというか・・・。

私は人混みも苦手なので、スタバとかに行くのは
決まって平日です(笑)

私は思うんだけれど、正しい謙虚さというのは正しい自信だし、
本当のやさしさは本当のたくましさじゃないかしら。

青山美智子『木曜日にはココアを』より

これも納得の言葉です。

私たちは1秒先のことも知らされないまま暮らしている。
自分の意志だけではどうしようもない、抗えないことも向こうから訪れる。

そんなときに果てなくふくらんでいく不安は、
私たちにおそろしいシナリオを書かせる。

自分で作ったストーリーなのに、まるで誰かに与えられた未来のように、
そしてそれがもう決まってしまったかのように、私たちは脅かされる。

青山美智子『木曜日にはココアを』より

この言葉ハッとさせられます。
未来がどうなるかどころか、1秒先すらわからないんですよね。

私は中1のときに交通事故にあい、
夢見ていた未来はすべて奪われたので、
この「自分の意志だけではどうしようもない、抗えないこと」が
訪れてしまった辛さを経験しています。

これからどうなるんだろうという不安と
どうして私なんだという怒りが
ずっとずっと・・・長い間心を巣食っていました。

なんとか前を向くのに3年くらいかかりました。

好きな場所で、好きな景色を、好きな人と見て、好きなことを話す。

私は今まで、そんな大切な願いに対して、どこか臆していたような気がします。
でも、思ったときに進まなければずっと止まったままで、
それどころか、その願いは果たせないうち気持ちごと消えていってしまうかもしれない。

青山美智子『木曜日にはココアを』より

今、何かしら我慢をしている人。
耐えて耐えて苦しい思いをしていたら、
ぜひ自分が好きなことを一つやってみてください。

好きな歌手の歌を聴くでも、お笑い見て笑うでも、
好きなケーキを食べるでもいいから、

自分ひとりで完結できる楽しいもの、
幸せになれるものをしてみてください。

心が閉じこもってしまっているときは、
数センチでもいいスキマが空けば楽になります。

自分には誰も味方がいない、
守ってくれる人がいない、
話を聞いてくれるひともいない、
そう感じていても、必ずいつか巡り会えます。

今、いないだけで
その味方になってくれる人はこの広い世界のどこかで
あなたと同じように生きていて、
もしかしたらあなたと同じように悩んでいるかもしれない。

でもいつか巡り会える。

そう信じて、
今強く生きていくのは辛いと思うけど、
一日一日をなんとか好きなことを一つでもして
過ごしていってほしい。

前を向いてるだけで、
必ず良いことは
おきるから。

そんなことが信じられる素敵な一冊です。

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それではまた。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。

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