望月麻衣『わが家は祇園の拝み屋さん14 渓谷に散る紅葉と陰陽師の憂鬱』を読んだ感想

読書エッセイ
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こひめ
こひめ

京都が好きな方、
陰陽師が好きな方
におすすめです。

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あらすじ

秋深まる京都で小春をめぐって新たな恋敵出現! 苦悩する澪人だが……!?

秋深まる京都で同居中の小春(こはる)と澪人(れいと)を、東京で出会った不思議な少年・千歳(ちとせ)が訪ねてきた。千歳は、いきなり小春にプロポーズし、澪人は動揺する。
同じ頃、澪人と朔也(さくや)が所属する陰陽師組織は、昨今流行している心霊スポットでの実況動画配信を問題視していた。
特に現代の安倍晴明を名乗る配信者・巫狐(みこ)が危険だと考え調査を始めようとするが、問題の解決によって小春に相応しい相手を決めようと、千歳が澪人に勝負を挑んできて!?

望月麻衣『わが家は祇園の拝み屋さん14 渓谷に散る紅葉と陰陽師の憂鬱』裏表紙より

著者について

望月麻衣(もちづき まい)
北海道出身、現在は京都在住。2013年にエブリスタ主催第2回電子書籍大賞受賞。著書『京都寺町三条のホームズ』(双葉社)が第四回京都本大賞受賞、アニメ化。『わが家は祇園の拝み屋さん』(KADOKAWA)『京洛の森のアリス』『満月珈琲店の星詠み』(文藝春秋)などがある。

読み終えた感想

今回もとても面白かったです。
ちょっと幽霊が怖いところもありましたが・・・。

本人が背負っている業や因果を、他の者がかってに祓うのは危険なこと。譬えるならば、ギャンブルで借金した人の借金を肩代わりしてあげるようなものだと。
借金がなくなったギャンブラーは、また喜んで、ギャンブルを始める。
本人の学びにはならない、と教わったのだ。

望月麻衣『わが家は祇園の拝み屋さん14 渓谷に散る紅葉と陰陽師の憂鬱』より

私には「霊感とかがない」と思っていますが、
京都にいる友人が霊感の持ち主でした。

「一緒にいると霊感うつる可能性が
あるんだけど大丈夫?」と聞かれたことを
今でも思い出します(笑)


その友達と色々な寺社仏閣にいきましたが、
一番不安がったのは
『伏見稲荷大社』でした。
 

この本でも出てくる、
『夕暮れ時』だったもので、
あやしいものが集まる時刻なんですよね。


途中まで一緒に上がっていったのですが、

こひめ
こひめ

口数が減った・・・・・・?

と思ったとたん

親友
親友

ごめん、こひめちゃん!ちょっと無理!


と言うが早いか、
猛スピードで走って引き返したんです。

そのまま(どこの駐車場かまでは覚えていませんが)
駐車場までダッシュして、
やっと止まってくれました。


「ああああぁぁぁ、無理だった。ごめんね」
謝る友人に
何が怖かったのかは聞けず(笑)


とにかくやばかった、そうです。

今でも一番の親友ですが、
もろもろ面白くて大好きです♡

「石ってその地の想念とか吸収するから、
どこに行ってもなるべく拾って来ない方が良いみたい」

小春が説明をすると、「そういえばそういう話、聞いたことある」と
愛衣も思い出したようにうなずいた。

「ってか、『なるべく』じゃなく、『絶対』に拾ってくるな、と俺はいいたいけどね」

望月麻衣『わが家は祇園の拝み屋さん14 渓谷に散る紅葉と陰陽師の憂鬱』より

これにはびっくりしました。
河原とかで拾ってきたりしちゃいますよね。

でも河原の石はそれこそ
絶対に拾ってきてはいけないですね。


ふと思い出したのは、
「おじゃる丸」に出てくる「カズマ」

なんでもないただの小石集めが趣味で、
すっごくたくさん石を持っているんです。

カズマ、今すぐ捨てたほうがいい!
と思ってしまいました(笑)。

こひめのグッときたベストポイント!

「まぁ、たしかに運気に乗れていないという観点から見たらそうなんやけど、
負の感情のすべて、が悪いわけやない。

人にはそういう時も必要なんや。
良くないて分かっていても、人は落ち込む時は落ちこんでしまうさかい。
それは当人にとって、『落ち込む必要がある』てことや。

そもそも人は色んな経験をするためにこの世に生まれてきてるさかい。

楽しいだけの世界はこの世やなくて、あの世の話。
負の感情を一切排除するていうんは、自分のほんまの部分では望んでへんのや」

へええ、と愛衣は目を丸くしながら、相槌をうつ。
けど、と澪人は続ける。

「いい加減浮上したいのにできひん、
そういう時はちょっと無理しても自分の好きなもんに触れて、

『わくわく』の力を借りるのは、ええ対処やと思うし、
今みたいにどんな時でも『楽しい』て気持ちを持っていたら
上昇気流に乗ってるさかい、上手くいきやすいんや」

望月麻衣『わが家は祇園の拝み屋さん14 渓谷に散る紅葉と陰陽師の憂鬱』より

この言葉が心にとまった方は、
ぜひ読んでみてください。

落ち込む必要があるときは、
とことん落ち込んでみましょう。

泣いて泣いて泣いて、でもその先には必ず光が届きます。

泣いた分だけ強く、優しくなれる。
私はそう、信じています。

それではまた。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。

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