
京都が好きな方、陰陽師が好きな方、
不思議現象が好きな方、
におすすめです。
あらすじ
小春たちチームOGMの活躍によって、京都の心霊スポットでの動画撮影騒動は一件落着したかに思われた。
望月麻衣『わが家は祇園の拝み屋さん15 それぞれの未来と変わらぬ想い』 裏表紙より
だが、その裏で暗躍していた、怪しげな黒い狐面の存在が明らかになる。その衝撃の正体、そしてその胸に秘されていた切なる想いと願いとは――。
過去からの縁を通じてめぐり逢い、数々の不思議な出来事を解決してきた小春と澪人。
新たな未来に向けて、ついに一歩を踏み出す。大人気シリーズ、温かな希望あふれる感動の大団円!
著者について
望月麻衣(もちづき まい)
北海道出身、現在は京都在住。2013年にエブリスタ主催第2回電子書籍大賞受賞。著書『京都寺町三条のホームズ』(双葉社)が第四回京都本大賞受賞、アニメ化。『わが家は祇園の拝み屋さん』(KADOKAWA)『京洛の森のアリス』『満月珈琲店の星詠み』(文藝春秋)などがある。
読み終えた感想
組織のトップや見識者は、たとえ自分が分からなくても、分かっている振りをし、他を頼るのを嫌うイメージがあったのだ。
望月麻衣『わが家は祇園の拝み屋さん15 それぞれの未来と変わらぬ想い』 より
「意外なことあらへんよ。本部長は、自分にできひんことや、分からへんことは、どんどん得意な人の力を借りていこうってスタイルやし、自分にできることがあれば、できひんこともある。それが当たり前て考えなんや」
これは本当に大事なことだと思っています。
大人になるにつれて、『知らないことは恥ずかしいこと』という考えが出てきてしまうんですよね。
でもたとえその分野に精通していたとしても、知らないことがゼロなんてないはずで、
それを知ったかぶりしてあとで恥をかくよりも、素直に「そんなのあるんだ、知らなかった」と
言える人の方が素敵だと思うし、尊敬できると思います。
「得意な人の力を借りていくっていうのは、相手の能力を尊敬していて認めているからこそ、信じて託すってことですよね。自分ができる時はしっかり力になるわけで。そうやってお互いをサポートしあっていくって素敵なことですね」
望月麻衣『わが家は祇園の拝み屋さん15 それぞれの未来と変わらぬ想い』 より
私も幼いころから、仕事をしていた時も、なんでも一人でやろうとしていて、抱え込んでいました。
相手が信頼できなかったり、自分の大事な仕事を託せるほど信用もしていなかったということですね。
前に正社員で勤めていた会社では、良い人に恵まれて、頼り頼られ、良い関係を築けていました。
ですが、パートで入り、私が精神を病みそうになったところでは、
「知らないことを知らないとはいわない」「知ったかぶりをする」「自分の方がなんでも知っていると思っている」、のような残念な人が多かったです。
能力を隠して仕事をしている人もいるんだということを想像はしていないんですね。
自分の能力が一番だ、と思っている人が一番恥ずかしいです。
自己肯定感の低さから相手にマウンティングをとらなければいられない人だらけで、
待遇は良かったのですが、ここでは働けないなと思い辞めました。
この人のサポートをしたいと思える人ならば、心を込めて精一杯のことをしますが、
残念ながらそう思えない人も現実にはいますよね。
この「拝み屋さんシリーズ」は、登場してくる人ほとんどが良い人なんです。
読んでいて、むかむかする人が現れないところも読んでいて癒されるポイントです。
こひめのグッときたベストポイント!
「さっき『何もかも遅かった』って言ったけど、
望月麻衣『わが家は祇園の拝み屋さん15 それぞれの未来と変わらぬ想い』 より
そんなことは全然ない。
人生はいつだって『今』がスタート地点なんだよ。
今が人生で一番若いんだ」
「後の人生に必要だからこそ、かりそめの夢を見たり、
望月麻衣『わが家は祇園の拝み屋さん15 それぞれの未来と変わらぬ想い』 より
かりそめの恋をしたりする。
ーーーーそう思えば、一見上手くいかなかった事柄も、全部必要があるってことっすよね。
ゲームで言うと遠回りしたから見付けられたアイテムが、後々、めっちゃ必要だった、みたいな感じかな」
※かりそめ(仮初)・・・その時かぎりのこと、しばし、まにあわせ。ふとしたこと。
今、嫌なことがあったり、どうしてこんなにツイてないんだろうとか思う日はあっても
それは必ず後の人生で役に立ってくれる。
だから今のその思いは忘れないで。必ず笑える日はやってくるから。
この言葉が心にしみた方は、ぜひ読んでみてください。
この本でシリーズ最終巻となります、15巻あります。
それではまた。ここまで読んでいただいてありがとうございました。
コメント