ヨシタケシンスケ・又吉直樹『その本は』を読んだ感想

小5·小6(高学年)
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こひめ
こひめ


ヨシタケシンスケさんと又吉直樹さんの共著です。
本屋さんでもよく見かけます。
私は又吉の作品は初めて読みました。
又吉先生ですね(笑)
どうしてもまだ芸人「ピース」のイメージの方が先行します。

小説をあまり読んだことがない
笑いたい
〇泣きたい
〇小学校高学年~


魔導書など伝説の本を手にした気にもなれる
おすすめの一冊です。

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私が実際に読んで良いと思ったものを
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あらすじ 2022年7月26日発売

本の好きな王様がいました。
王様はもう年寄りで、目がほとんど見えません。
王様は二人の男を城に呼び、言いました。


「わしは本が好きだ。今までたくさんの本を読んだ。
たいていの本は読んだつもりだ。
しかし、目が悪くなり、もう本を読むことができない。
でもわしは、本が好きだ。だから、本の話を聞きたいのだ。


お前たち、世界中をまわって
『めずらしい本』について知っている者を探し出し、
その者から、その本についての話を聞いてきてくれ。
そしてその本の話をわしに教えてほしいのだ」

旅に出たふたりの男は、たくさんの本の話を持ち帰り、
王様のために夜ごと語り出した――。

ポプラ社 ホームページより

著者

又吉 直樹

1980年大阪府寝屋川市生まれ。
吉本興業所属のお笑いコンビ「ピース」として活動中。
2015年に本格的な小説デビュー作『火花』で第153回芥川賞を受賞。
同作は累計発行部数300万部以上のベストセラー。

2017年には初の恋愛小説となる『劇場』を発表。
2022年4月には初めての新聞連載作『人間』に1万字を超える加筆を加え、文庫化。
他の著書に『東京百景』『第2図書係補佐』など。
YouTubeチャンネル【渦】、オフィシャルコミュニティ【月と散文】も話題。

ポプラ社 ホームページより

ヨシタケ シンスケ

1973年神奈川県生まれ。
筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了。

2013年『りんごかもしれない』で絵本作家デビュー。
絵本作品『りゆうがあります』『もう ぬげない』、イラスト集『デリカシー体操』、
エッセイ『思わず考えちゃう』など多数。
MOE絵本屋さん大賞、産経児童出版文化賞美術賞、
(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞、
ボローニャ・ラガッツィ賞特別賞などを受賞し、
海外でも様々な国で翻訳出版されている。

近著は『あんなに あんなに』『かみはこんなに くちゃくちゃだけど』。2児の父。

ポプラ社 ホームページより
ヨシタケシンスケさんの絵本はこちらもおすすめです

読み終えた感想

「その本は 〇〇〇〇」で始まる短編が
いくつも入っています。

本の好きな王様がいました。
王様はもう年寄りで、目がほとんど見えません。
王様は二人の男を城に呼び、言いました。


「わしは本が好きだ。今までたくさんの本を読んだ。
たいていの本は読んだつもりだ。
しかし、目が悪くなり、もう本を読むことができない。
でもわしは、本が好きだ。だから、本の話を聞きたいのだ。


お前たち、世界中をまわって
『めずらしい本』について知っている者を探し出し、
その者から、その本についての話を聞いてきてくれ。
そしてその本の話をわしに教えてほしいのだ」

旅に出たふたりの男は、たくさんの本の話を持ち帰り、
王様のために夜ごと語り出した――。

ポプラ社 ホームページより

このとおりに、
二人の旅人(又吉さんとヨシタケさん)が
交互に王様にお話を聞かせているかたちで
書かれています。


昔々のお話で
この本自体が「伝説の本」のようなイメージで
作られているので、

ところどころ、
破れている箇所や
シミができている箇所もあったりして、
その精巧さに騙され、
何度紙を触ってみたかわかりません(笑)



ヨシタケシンスケさんの分は、
イラストと手書きの文字で
ヨシタケさんらしく進んでいきます。


実は私は
又吉さんの本を初めて読みました。

なんというか・・・・・・
又吉ってやっぱりすごいんだなぁ、という感想です。


特に私が感動したのは
第9夜の中の一つのお話と、
姫たちにも読ませましたが、
第7夜のお話です。


第7夜のお話は
読み終わったときには
なんか腑に落ちない感じがあったのですが、

最初のページを読み返すと

こひめ
こひめ

あぁ~・・・・そういうことか


と思いました。

切なくなります。

第7夜のお話は特に
読解力や想像力をフル活動させないと、
理解できないかもしれません。

又吉のユーモアあふれる文章と、
泣かせる文章が交互にきて
なんだかとてつもない作家だなと
あらためて思いました。


想像力がすごいです。
又吉もヨシタケさんも。

これだけいろいろな方向から色々と笑わせてくれるのに、
最後はしっかりとまとめられて終わる。

そして読んだ人に投げかける。

とても良い本だと思いました。

ニノ姫(小3)もこの本を読みましたが、
ゲラゲラ笑って楽しく読んでいました。

本好きな小学校3年生にもおすすめです。

こひめのグッときたベストポイント!

その本は、

評判が悪かった。

ヒーローが負ける話だったからだ。

しかし、何もかもうまくいかず、
人並のことができなかった当時の私にとって、
負け続けるその本のヒーローは、唯一の救いだった。

一緒に地の底を歩いてくれる仲間のように思えたのだ。

まるで自分のために書かれたお話のようだった。

(中略)

しかし、もしかしたら、その作家は、
会ったこともない私を励ますために、あの本を
書いたのかもしれない。

そして私は、そんな経緯を一切知らないまま、たまたまその本を
読み、救われたのだ。

だとすると、場所も時代も超えて、
たった一人のために書かれた一冊の本が、その、
たった一人に届いたことになる。

そんな奇跡的なことが、はたしてあるだろうか。

いや、あるのかもしれない。

可能性はゼロではない。

そこまで考えて、私は、
もうひとつのことに気がついた。

私は奇跡的に
彼のメッセージを
受けとることができた。

そのことはつまり、
誰かへの想いを載せたまま
「届かなかった」本たちが、
世界には星の数ほどある、
ということでもあるのだ。

そんな、ボトルに手紙を入れて
海に流すようなことを、
人間は本という形に託して、
ずっと作り続けてきたのである。

「その本は」又吉直樹 ヨシタケシンスケ 第12夜 より

この言葉にグッときた方はぜひ、
読んでみてください。

『その本は』手帳もありました


本屋さんにいくと『手帳』も販売していました。
ハードカバー(表紙が硬い)で、
手帳というよりかは「本」という感じです。

中身はほとんど無地です。

この『その本は』のようにところどころ
シミがあったり、汚れがあったり、イラストがあったりしますが、
自由帳のようになんでも書けるようになっています

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私なら・・・・・・
日記のようにして使うかもしれません。

こひめのひとりごと

私はこの本を読んだ後、
たまたま本屋さんに行ったのですが
ところせましと並べられた
漫画、雑誌、写真集、問題集、辞典、
海外文学、日本文学、歴史文学・・・


たくさんのジャンルに分けられて
並んでいる本を見て、

こひめ
こひめ

本当に本ってたくさんあるよなぁ・・・・・・


なんて思いました。



これらの本を手にとるかとらないかは
人それぞれで、
その本を開くか開かないかも、
人それぞれで、

一生手にとることもない本もあれば、
今は興味がわかないけど
数十年経ったら
興味がでてくる本もあるのかもしれない。


そう考えるだけで、
年を重ねることも悪くないなと思うのです。


本屋さんには本当にいろいろな年代の方がいて、
かといって年代によって
見てはいけないジャンルなどなく(一部あるかもしれませんが)

もし興味を持った本が同じだったら、
その人が30歳近く上に見えたとしても
なぜか親近感すらわいてきてしまう。


インターネットですぐに簡単に
手に取れる本も良いけれど、

私はやはり実際に並ぶ本の圧力を感じられて、
人のぬくもりも感じられて、
紙の本を一冊ずつ手に取れる本屋さんは
なくなってほしくないなと思います。



いつ、誰に読まれるかわからない。

何年経っても届かないかもしれないけど、
いつか誰かの役に立てる、
誰かに勇気を与えられる、
そんなブログを私も書きたいです。

『その本は』はこんな人におすすめ


・小説を読んでみたい
・笑いたい
・泣きたい
・子どもと一緒に読む本を探している
・小学校高学年になった
・芥川賞作家の本を読んでみたい

という方に読んでほしいおすすめの一冊です。

きっと笑えて、泣けて、
子どもとたくさん話し合える素敵な時間が
過ごせると思います。

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それではまた。
ここまで読んでいただき
ありがとうございました。

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