
戦国姫シリーズ・全20巻の第2巻です。
今回は、
初姫、京極竜子、豪姫、まつ、
小松姫、千代、細川ガラシャの7人の姫のおはなしです。
450年前の戦国時代、家族に翻弄されながらも
自分の意志を通して生きていた女の子たちがいました。
〇歴史を勉強した小6以上の方
〇この7人の名前を知っているという方
〇今をときめく徳川家康の周辺を知りたい方
〇自分の心に正直に、強く生きていきたいと
思っている方
にオススメです!

あらすじ
2012年11月10日発売
豊臣家のリーダーとなった姉・茶々と、徳川家の二代将軍に嫁いだ妹・江。
敵対する立場になった姉妹の架け橋になるべく、力を尽くす初姫。
義父の徳川家康から婿選びを命じられた小松姫。彼女が選んだお相手は?
父・明智光秀の謀反により、過酷な運命を背負うことになった細川ガラシャ。
ほか、戦国時代を果敢に生きた、7名の姫君たちの物語。
著者
作:藤咲あゆな
7月14日生まれ。主なシリーズ作品に、『戦国姫』『やさしい悪魔』(みらい文庫)、
『魔天使マテリアル』『黒薔薇姫』(ポプラ社)などがある。
TVドラマやアニメの脚本家としても活躍中。
絵:マルイノ
12月2日生まれ。『戦国姫』『ちょーコワ!最凶怪談』(みらい文庫)のイラストを担当するほか、『季刊エス』(飛鳥新社)などでイラストを発表する新進気鋭のイラストレーター。
読んだ感想
戦国姫シリーズは20巻まであるそうです。
今回は”鳥の巻”ということで、目次には「翼」という字が並びます。
初姫 戦国の世を生き抜いた、大らかな翼 京極竜子 実家の再興を秀吉に願った美しき翼 豪姫 乱世に翻弄された華やかな翼 まつ 夫・利家とともに加賀百万石の基礎を築いた、賢き翼 小松姫 義と情。ふたつを備えた気高き翼 千代 内助の功を発揮し、夫を土佐一国の大名へと押し上げた知の翼 細川ガラシャ 愛と信仰に生きた清き翼
それぞれの姫たちの激動の時が物語で語られます。
私はこの7名の中から、今回「小松姫」と「細川ガラシャ」に注目しました。
身内でも、敵となれば退けた勇ましい姫・小松姫こまつひめ
小松姫として一番に思い出せるのは2016年のNHK大河ドラマ『真田丸』。
吉田羊さんが演じていました。
大泉洋さん演じる「真田信幸」と結婚します。(TBS日曜劇場「ラストマン」でもお二人は昔の恋人役でしたね)
小松姫は、
現在のNHK大河ドラマ『どうする家康
本田忠勝(平八郎)<山田裕貴>の娘です。
しかし、真田家に嫁ぐ時には徳川家康<松本潤>の養女となります。
この時代、姫は「家のために嫁ぐ」のが当たり前です。
真田家は武力に優れた家柄、
家康は自分の味方にしておきたかったのでしょう。
しかし家康の血のつながった姫たちは皆、他の武家に嫁いでおり、
適当な姫がいなかったため
仲良しの本田忠勝から小松姫を養子にもらい、
真田家に嫁がせたようです。
『戦国姫』での小松姫の物語は、武勇にも秀で、妻としても、
いうことなしの人物だったようです。
頭もよく、周りの空気を読むこともでき、臨機応変に立ち回ることが
できた姫だったようです。
凛とした佇まいが想像されるので吉田羊さん、ぴったりだったなぁと
感じています。
武家の妻として、潔い最期を選んだ誇り高き姫・細川ガラシャ
細川ガラシャは2016年大河ドラマ『真田丸』では橋本マナミさんが、
2020年大河ドラマ『麒麟がくる』では芦田愛菜さんが演じていました。
明智光秀の三女・玉姫として生まれ、織田信長のすすめで細川忠興に16歳で嫁ぎます。
その後、本能寺の変で父である光秀が信長を討ちますが、謀反人として敗死。
夫。忠興に幽閉されますが2年ほどで、また一緒に住めるようになります。
しかし、
ある日のことです。
藤咲あゆな『戦国姫ー鳥の巻ー』より
庭師が庭で松の枝の手入れをしていますと、そこへ玉が通りかかりました。
「・・・・ご苦労さまです」
玉がねぎらいの言葉をかけ、庭師もそれに対し会釈しました。
そして、玉がそのまま廊下を行き過ぎようと歩き出した、そのときです。
「おのれ!」
それをたまたま見ていた忠興が激怒し、庭に駆け下りました。
「私の妻を見るな!」
忠興は怒りそのままに刀を抜き、庭師を斬り殺してしまいました。
なんという嫉妬。度を越えています。
でも令和の今でもストーカーの事件など後をたちませんし、
戦国の世と実は変わらないのかもしれません。
そして以前ご紹介したこちらの本のとおり、
ガラシャはだるまの着ぐるみを着るハメになってしまうんですね(笑)
こひめのひとりごと
この本の最後に『戦国時代の出来事が由来の言葉について」というところがあります。
『天王山の戦い』。
山崎の戦いでは、その戦場となる「天王山」を占領したほうが戦いを有利に進められるという状況でした。両軍がそれを目指した結果、秀吉方が先に占拠し、光秀は敗れることになったのです。このことから、勝負を決める分岐点を「天王山」と呼び、それをめぐる戦いのことを「天王山の戦い」と言うようになりました。
藤咲あゆな『戦国姫ー鳥の巻ー』より
中学受験は小6の夏休みが「天王山」と呼ばれます。
こういう意味だったのかと、母としても勉強になりました。
戦国時代はただでさえ長く、
戦いの名前も武将も覚えるのは一苦労です。
姫の名前もみんな似ていて、「まつ」「小松」「豪」「江」と
同じ読み方の姫がたくさんいます。
『戦国姫』は戦国の難しい用語も巻末に説明がついています。
小説のようにただお話を読むだけでも楽しめると思います。
ふりがなもふってあるので、中学年からでも読めるのですが、
登場人物が多すぎるのでやはり歴史を少し学んでからのほうが
理解ができ、楽しく面白く読むことができるのではないかと思います。
それではまた。ここまで読んでいただいてありがとうございました。
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