医者であり、スクールカウンセラー
でもある明橋大二先生の
「10代からの子育て」に
焦点を当てた本です。
太田知子さんの温かくかわいいイラストが
書かれていてわかりやすいです。
〇反抗期で困っている
〇最近は口をきいてくれなくなった
〇スマホとばかり向き合っている
〇悪い子と付き合っていないか
犯罪などに巻き込まれていないか不安
〇子どもが今年の春から
新生活をスタートさせた
そんな方の
不安が軽くなるおすすめの一冊です。
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利用しています。
ただし、おすすめ商品や掲載位置について
提携先などの関与はありません。
<私はこんな人です>
・HSP 内向型
・タイプの違う2人のHSC子育て中
・本好き歴 41年
・京都の短大卒
・読書記録 15年間
・小学校での絵本アドバイザー活動 2年
B型でひねくれものなので
発売されたばかりで
題名を聴いたことがある本よりも、
今現在は埋もれてしまっている
良い本を紹介したいと
思っています。
図書館に置いてある本
(すぐ予約できる本)を
中心にご紹介しています。
幼い頃から本が
大好きだった私。
国語の成績はいつも
トップ層でした。
私立女子中に通う
中1長女(一の姫)、
2026年中学受験予定
小5次女(ニの姫)も本が大好き!
国語の成績だけは毎回
偏差値60を越えます。
読んだ本すべてを手に入れたら
確実に破産するので
ほぼ毎週
図書館通いの我が家ですが、
購入した本・手元に残したい
と思った本を
ブログ『読書きろくノート【こひめ家の本棚】』で
紹介しています。
本の内容 2007年3月13日発売
『子育てハッピーアドバイス』
シリーズの思春期編。
子どもじみているかと思えば、
どきっとするくらい大人びている。
素直かと思えば、ものすごく反抗する。
そんな揺れ動く10代の子どもの心を、
どう受け止めて、
親子で歩んでいけばよいのか。
10代の子どもが輝くために、
親や周囲の大人ができることを、
優しいマンガやイラストを交えて
アドバイスする。
また、子どもに
心配な問題が出てきた時に、
その根本原因は何か、
どんな言葉をかければよいかという
解決方法を、
具体的に明らかにしている。
子どもに関わる全ての人に届けたい、
画期的な1冊。
著者
明橋 大二
昭和34年大阪府生まれ。
精神科医。京都大学医学部卒業。
国立京都病院内科、
名古屋大学医学部附属病院精神科、
愛知県立城山病院をへて、
真生会富山病院心療内科部長。
児童相談所嘱託医、
スクールカウンセラー、
NPO法人子どもの権利支援センター
ぱれっと理事長
(「BOOK著者紹介情報」より:
本データは『子育てハッピーアドバイス
大好き!が伝わる ほめ方・叱り方』
が刊行された当時に掲載されていたものです)
読んだ感想
この本は平成18年(2006年)の10月、
北海道滝川市のいじめ自殺の報道があって
すぐに出された本です。
2024年が始まり、この本が発売されてから
17年が経っています。
読んでみて、
あ~この本は古い考えだなぁ~と
思えればよかったのですが、
正直なところ、
この本が時代遅れだなんて
全く思いませんでした。
むしろ、まだ何も出来ていないんだなと
がっかりしました。
もっと多くの方に読んでほしいと
思いました。
10代の子どもに接する10カ条
⑴子どもを大人の力で変えようという思いは捨てて、肩の力を抜こう。
⑵「どうして●●しないのか」という子どもへの不平不満を捨てよう。
⑶今、現にある子どものよさ、子どもなりのがんばりを認めよう。
⑷子どもへの、指示、命令、干渉をやめよう。
⑸子どもから、話をしてきたときは、忙しくても、しっかり聞こう。
⑹子どもとの約束は守ろう。
⑺子どもに本当に悪いことをしたときは、率直に謝ろう。
⑻威嚇や暴言、体罰で、子どもを動かそうという思いを捨てよう。
⑼本当に心配なことは、きちんと向き合って、しっかり注意しよう。
⑽子どもに、なるべく、「ありがとう」と言おう。
「甘えない人が自立するのではなく、甘えた人が自立するのです」
自立した子どもに育てるにはどうしたら良いか・・・・・・
これは親ならば考えることの
1つではないでしょうか。
かくゆう私も
姫たちに早く自立してほしいと
思っています。
自立の反対が「甘え」だ。
甘えさせないことが自立への第一歩だろう。
甘やかしてるからいつまでたっても
自立できないんだ。
家族や親戚などからもこういう言葉
言われたことはないですか?
でもこれは間違いだと書かれています。
自立のもとになるのは「意欲」。
その意欲のもとになるのは「安心感」。
安心感は
じゅうぶんに甘えさせてもらった、
そこからもらった安心感が土台となります。
甘えない人が自立していくのではなく、
甘えた人が自立するのです。
でも10代の子どもたちは
”甘えたい”(依存)と
”親になんか頼ってたまるか”(反抗)の
気持ちのいったりきたりが
ほぼ日替わりで訪れます(笑)。
親としてはどっちが本当の
子どもの気持ちなのかと慌てますが、
どっちも本当の気持ちなので
親が子どもに対して
どーんと構えていなければいけません。
依存(甘え)の相手が「友だち」になっていく
10歳をすぎると、たとえ不安になっても、
明橋大二『10代からの子育てハッピーアドバイス』 抜粋
もう親には甘えられない、という気持ちが強くなります。
そのときに、依存する相手が、友達です。
ですから、10代の友達関係というのは、
親に甘えたい気持ちを、友達に向けているのです。
10代の友達関係が、とても依存的なのは、
こういう理由によります。
ですから、受け入れられるか、
拒否されるか、ということをものすごく気にしますし、
拒否されたらとても傷つきます。
大人になれば、お互いに自立していますから
多少、拒否されても
人は人、私は私、と思えますが、
10代はそうは思えないのです。
こういう意味で、10代には友達関係が、
心の成長にとって、いかに重要か、ということが
わかると思います。
逆にまた、友達関係を持てなかった、
あるいはいじめなどで、友達から拒否された子どもが
いかに強い不安を持ち、自立を妨げられるか、
ということがわかっていただけると思います。
この箇所を読んだ時、やはりわが家は
中学受験を選んでよかったと思いました。
一番心が不安定になる13歳~18歳。
心が不安定になる時期に
自分の次の進学先を決めなくてはいけない。
たくさんある学校の中から一つを。
しかもそのころは多分、親の意見よりも
友達との意見が重要。
勉強に対する不安、
学校への不安、
合格できるかの不安、
そして友達関係への不安。
わが家は通っていた公立小での
問題がすでにあったので中学受験をしました。
子どもに合う学校に進学でき、
今は笑顔で毎日通ってくれているので
この選択は間違っていなかったと思っています。
いじめる子どもも、ケアが必要な子ども
いじめ、虐待、体罰、DV(夫婦間暴力)など、すべてそうですが
明橋大二『10代からの子育てハッピーアドバイス』より
このような暴力の本当の残酷さは、
あざや体の傷ではなく、
暴力を受けた人の心を深く傷つけ、打ち砕いてしまうことにあります。
いじめによるPTSD(心の傷による後遺症)は、
戦争体験によるPTSDの症状にも劣らない、
という報告もあるくらいです。
暴力によって、一度でも死ぬような恐怖を
味わうと、人間は抵抗する力を奪われます。
ほとんどの加害者は、かつて被害者であった
明橋先生が診察をした暴力的な人(いじめている側)の
ほとんどが
過去に何らかの大きな被害体験を持っていたそうです。
いじめている子どももまた、
別のところで攻撃にさらされていたり、
追い詰められていることがあります。
いじめられて自殺、ということはあってはいけないけれど、
いじめる子もまた自殺や、
うつ病になりやすいというデータもあるそうです。
私の経験でも、
いじめられていた子はある程度は
家族関係が良いように感じます。
逆に、問題行動ばかり起こしている子は
親をみると仕事に忙しそうだったり、
メイクやファッション、ブランドが
好きそうだったり、
親自身も問題を抱えていたりして、
子どもをゆっくりと見られていない。
子どもと目を合わせて話せていないのでは
ないかと感じます。
だからこそ、最近の日本の政治についても
私は文句が言いたいのです。
働きたい親はいます。
私だって働きたいです。
でも、親が働きに出ることで
寂しい思いをしている子どもだって大勢いるんです。
生活に困るから働きにでるわけで、
生活に困らなければ
誰が他人に預けてまで働きにでますか?
子どもにとって、親は全てです。
学校から帰ったら大好きな親がいてくれる。
その安心を与えてくれる人は
代わりがいないのです。
保育士が足りない、
病後保育が足りない、
もともと人手不足です。
子どもを預けられないから
働けないならば
働かなくてすむように
システムを変えれば良いんです。
不登校さえできないのは苦しいこと
いじめにあう人は、まじめな、優しい子どもたちです。
明橋大二『10代からの子育てハッピーアドバイス』より
そういう子どもたちは、学校へ行かなければならないことは、
じゅうぶんわかっています。
それでも学校へ行けなくなるということは、どれだけのつらさか、ということを
わかってほしいのです。
不登校さえもできなかった、
親にも優しい、
まじめな子が、自殺している、という事実を
われわれはもっと知るべきだと思います。
私も不登校の子どもが2人もいたので
親としての気持ちがわかります。
考えてしまうのは「世間体」。
そして毎日学校からかかってくる電話も
辛かったです。
登校班での登校だったので、
そこに毎朝連絡するのも辛かったです。
だから無理やりにでも登校させてました。
「そんなことで休んでたら
大人になって苦労するよ!」なんて
10年以上も先の未来のことを話に出して
怒ったりして・・・・・・。
仕事に行けないと迷惑がかかる、
仕事に行けないとお金がもらえない・・・・・・と。
気にするのはいつも世間体でした。
そしてそんな親の姿を見て、
子どもは「親に迷惑をかけられない。
行きたくないけれど行かなくちゃ」と
気持ちを奮い立たせて学校に
向かっているのだと思います。
その頑張りがきかなくなる時が
必ずやってくるんです。
不登校は「心のサーモスタット」が作動した状態
「不登校」という現象自体、私は決して、
明橋大二『10代からの子育てハッピーアドバイス』
マイナスばかりとは思っていません。
確かに、学業や進学の面で、不利な面があることは否めませんが、
それ以上に大切なものを与えてくれることがあるのです。
私は、不登校を「心のサーモスタット」が作動した状態、と表現することがあります。
電気こたつや、ヒーターなどには、サーモスタットというものがあります。
温度がある一定以上になると、自動的にスイッチが切れ、
温度を下げます。
そして温度がある一定以下になるとまたスイッチが入ります。
ですから、サーモスタットが正常に作動する、ということは、
機械にとって、あるいは、家にとって、とても大切なことなのです。
私たちの心や身体にも、サーモスタットというものがあります。
あまりに心身の過労が続いた場合は、
微熱が出たり、全身がだるくなったり、
うつや不安という症状を出して、
心身の休養を求めてきます。
それによって、私たちは、心身がそれ以上ダメージを受けるのを防いでいるのです。
本の中で、
高校の卒業式が終わった翌日から、
激しい家庭内暴力とともに
摂食障害を発症した、
ある18歳の女性は、後に、
「私は不登校さえもできなかった」と語ったようです。
実際、親はこうなってからでないと
気づけないものです。
わが家でもニノ姫が
この状態にしょっちゅうなります。
長期休みが始まると途端に、
高熱を出し続け、ぐったりと寝ています。
喉の痛みや咳、鼻水もないのですが
熱は38℃を超えることが3日~4日続き
ずっと横になっています。
ちょうどこのサーモスタットがきれた
状態のようです。
自らの心身を休ませているようにも感じます。
学校へ行けなくなった、というのも、
子どもの心の疲れが、
ある限度を超えてしまったために、
心のサーモスタットが作動して、
学校へ行けないようにしているのです。
それによって、それ以上、
心が壊れていくのを防いでいるのです。
明橋大二『10代からの子育てハッピーアドバイス』より
当然ながら熱が出れば学校には行かれません。
でも熱でも出なければ、
私も心配しなかったと思うんです。
不登校は悪いことばかりではない
不登校というのは、決してマイナスばかりではなく、
明橋大二『10代からの子育てハッピーアドバイス』より
人間にとって最も大切な、健康とか、家族の絆、
といったものを取り戻してくれる、
豊かな恵みを持ったものでもあるのです。
実際、子どもの不登校を経験した家族が、
振り返って、
「この子が、不登校をしてくれたおかげで・・・・・・」
と、語る例は、決して少なくありません。
子どもへの不満やいらだちが、いつしか、
子どもへの感謝に転じているのです。
これも本当にその通りです。
私は子どもたちが
不登校になってくれて気がつけたことが
たくさんありました。
とかく、今の子育ては世間体や
ネット、噂に流されて
子育てしています。
私もそうでした。
周りに合わせるために子どもに無理をさせて
学校に行かせ、
無理矢理言うことを聞かせていました。
けれども、二人が心身に異常をきたし始め、
私は仕事を辞めました。
最初は中学受験をするためのお金はどうするの?
家計やっていかれるの?と心配だったし、
なんでうちの子はこんなに弱いの?!と
怒ってもいました。
でもこうなってしまったら
どうしようもないんです。
どうもできないんです。
1人で留守番はさせられないし、
周りからどう思われようが、
無理なものは無理なんですから。
そして吹っ切れたら、楽になりました。
わざわざ混んでいる土日に
ショッピングセンターに行かず、
平日空いている時にでかけられるからOK!
「今日学校は?」って誰かに聞かれたら、
「遠足の代休なんです。」
と嘘をつくからOK!
空いている公園で
バスケゴール独占できるからOK!
プラスに考えられるようにもなりました。
不登校児の親は何事も
どうしても暗くマイナスな方向に考えてしまいます。
でも学校は行かなくてもいいんです。
行く権利があるだけで、
行く義務ではありませんから。
自分を責めることなく、
出来ることを少しずつやっていれば
おのずといつか道が開けます。
今は親として辛いけれど・・・・・・。
たくさん本を読んだり、
話をしたりして、笑ってください。
子どもはあなたの笑顔が大好きなんですから。
「どうして、死んではいけないの?」
私は、ひどいいじめにあっていて、死にたいと思っています。
でも、周りの人は、死んじゃだめだと言います。
どうして死んではいけないのでしょうか。
こんな問いに、明橋先生はこう答えています。
いじめを受けて、死にたいくらいつらいんですね。
明橋大二『10代からの子育てハッピーアドバイス』より抜粋
そんな中、よく今まで耐えてきたと思います。
よく、「いじめくらいで死ぬな」という人がいますが、
いじめは時として死を考えてしまうくらい、本当につらいものだ、と私は思います。
しかし、それでも、やはり、死んでもいいよ、とは言えません。
なぜなら、まず、あなたが死んだときに、最も悲しむのは、
あなたの親だからです。
あなたが死んだとき、最もつらい思いをするのは、
あなたをいじめた人ではなく、あなたの親です。
なぜなら親は、間違いなく自分を責めるからです。
「自分が気がついてやれなかったから」
「自分が助けてやれなかったから」・・・・・・。
子どもを自殺で失った親には、
もう一生、その苦しみから離れ切ることはない、
と言ってもいいのです。
あなたが今、いじめを受けていることの結果が、
あなたの命を奪い、親をも、不幸のどん底に突き落とす、
そんな取り返しのつかないことになっていいはずがありません。
死ぬ以外にも、必ず解決の方法はあります。
学校に行かなくてもかまいません。
学校以外にも、安心して友達ができる居場所もあります。
家出をしてもいいのです。
今の苦しみから逃れる方法は必ずあります。
私は周りで友だち、親族、など
自殺している人が3人います。
その苦しみを吐き出せる場所があると知り、
「身近な人を自殺でなくした経験の
ある人が集まる会(自死遺族の会)」に
参加したことがあります。
半年前に娘を亡くした方、
もう何年も前に娘やご主人を亡くした方、など
様々な方がいらっしゃいました。
私なんか17年くらい前に
友達を亡くしたので
特殊な方でした。
でもこの本にあるように、
私も含めて、
どうして?なんで逝ってしまったの?と
いう答えの出ない問いにずっと悩んでいます。
何十年経とうとも
答えの出ない問いを
求め続けるのは本当に辛いことです。
私が夢見る未来の日本の姿
私の勝手に想像する
こうなってほしい未来の日本の姿。
もう学校はどこへいっても
すべて無料。
その代わりきちんと勉強をしてもらいます。
小学校であっても、
30点以下をとりまくるのであれば
留年してわかるまで
何年でもやってもらう。
子どもの本業は勉強ですから。
そうすれば塾は必要なくなるかもしれません。
塾はもともと勉強に追いつけないから
行くものですから。
中学も高校も大学も
もう学校と名の付くところは
すべて無料です。
学校に行けない子のための
サポートスクールとかももちろん無料。
そしたら、小学校・中学校と
勉強が忙しくていじめなんてしている暇は
なくなるはずです。
だっていじめていて、一人だけ
留年なんて恥ずかしいですから。
親が子どもと話す時間もなく
子どもと一緒に家にいることもできないなんて
そもそもおかしいんです。
だって24時間「子育て」という
仕事を常にしているんですから。
働きたい人には働いてもらうけど、
何か子どもが問題を起こしたら
ちゃんと仕事を休んで
ゆっくりと子どもの癒しにあたってもらう。
そもそも育児をしている人には
働かなくてもすむように
月額10万(食費分)は育児給料として
国が払う。
寂しい思いをする子が
学校で問題行動を起こしていると
私は感じています。
寂しい思いをさせなければ
生活できない
この世の中がおかしいんです。
『こどもまんなか』って
そういうことなんじゃないんですかね?
『10代からの子育てハッピーアドバイス』はこんな人におすすめ
〇反抗期で困っている
〇最近は口をきいてくれなくなった
〇スマホとばかり向き合っている
〇悪い子と付き合っていないか
犯罪などに巻き込まれていないか不安
〇子どもが今年の春から
新生活をスタートさせた
という方に読んでほしいおすすめの一冊です。
それではまた。
ここまで読んでいただき
ありがとうございました。
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