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『カラフル』という題名を聞くと、
多分、森絵都さんが
思い浮かぶのではないでしょうか。
今回紹介する『カラフル』は
2025年本屋大賞に
ノミネートされている
『カフネ』を書かれた
阿部暁子さんが
2024年2月に発売した小説です。
〇中学受験生~大人まで
〇特に高校1年生
〇ミュージカルが好き
〇車いすユーザーが身近にいる
〇挫折を経験したことがある
そんな方におすすめの1冊です。
<私はこんな人です>
・HSP 内向型
・タイプの違う2人のHSC子育て中
・本好き歴 41年
・京都の短大卒
・読書記録 15年間
・小学校での絵本アドバイザー活動 2年
B型でひねくれものなので
発売されたばかりで
題名を聴いたことがある本よりも、
今現在は埋もれてしまっている
良い本を紹介したいと
思っています。
図書館に置いてある本
(すぐ予約できる本)を
中心にご紹介しています。
本の紹介は(水)(土)(日)に
インスタグラムで
発信しています。
https://www.instagram.com/kohime_bookshelf
幼い頃から本が
大好きだった私。
国語の成績はいつも
トップ層でした。
私立女子中に通う
中1長女(一の姫)、
2026年中学受験予定
小5次女(ニの姫)も本が大好き!
国語の成績だけは毎回
偏差値60を越えます。
読んだ本すべてを手に入れたら
確実に破産するので
ほぼ毎週
図書館通いの我が家ですが、
購入した本・手元に残したい
と思った本を
ブログ『読書きろくノート【こひめ家の本棚】』で
紹介しています。
あらすじ 2024年2月発売
高校入学式の朝、荒谷伊澄は
駅のホームでひったくり犯を捕まえた。
その際に、伊澄より先に
犯人の前に出て
足止めをしようとしたのが、
車椅子に乗った少女だった。
その後の事情聴取で判明したのだが、
渡辺六花というその少女も、
伊澄と同じ高校の新入生だった。
弁が立ち、気の強い六花に、
伊澄は”ヤな女だな”、
と感じたのだが……?
夢を追い続けられなくなった少年と少女の
挫折と再生の恋物語!
著者
阿部暁子
岩手県出身。『陸の魚』で雑誌Cobalt短編小説に入選。
『いつまでも』で2008年度ロマン大賞受賞。
著書に『鎌倉香房メモリーズ』全5冊
『どこよりも遠い場所にいる君へ』
『また君に出会う未来のために』(集英社オレンジ文庫)
『室町繚乱』『パラ・スター<side 百花>』
『パラ・スター<side 宝良>』(集英社文庫)、
『金環日触』(東京創元社)など著者多数。
読んだ感想

表紙に車いすユーザーの子がいるし、
色々と考えさせられる
ちょっとお堅い感動的な小説なのかな?
と思いきや、
恋愛要素もあり、笑いもあり、
でもやはりしっかりと
今の日本の問題、
障がい者との関わり方、など
大いに学べて考えさせられて、
泣ける小説でした。
特に中学受験生と、
主人公たちと同い年である
高校1年生におすすめします!
2025年度中学入試で出題されました
神奈川学園A、神戸女学院、芝、
日本大学、森村学園、明大八王子
などで出題されました。
どうして多くの学校で『カラフル』が出題されたのか
入試問題は
学校からのラブレターだと
言います。
どうしてこの本から出題されたのか、
学校側は何かしらの伝えたい意図があり、
選んでいると思われます。
私はこの本を読んで、
感動する良い言葉は
本当にたくさんあったのですが、
その中でも
この文章かなと思いました。
「みなさんも高校一年生で、もう
薄々わかってきていると思いますが、
世の中はきれいごとで済まないことが
たくさんあります。
みなさんの手本であるべき大人も
卑怯な真似をすることがあるし、
大人が自信満々に言うことが
間違っていることも往々にしてあります。
何が本当で、何が正しく、何を大切にするべきか。
それは、みなさんが
自分で考えていかなければなりません。
わけがわからなくなるほど
たくさんの事情が絡み合って、
情報があふれるこの世の中で、
それについて自分はどんな立場を取るか、
どう行動するのか、あるいは何をしないのか、
阿部暁子『カラフル』より
自分で考えて選択しなければならない。
学校は、本当はそのための力を
身につけていく場所だと思います。」
日曜劇場『御上先生』でも、
日本トップクラスの高校の生徒に
「考えて」と
御上先生はよく言います。
ただ暗記する勉強から、
最低限の知識を学んだうえで、
自分自身で考えて発言する大切さ。
しかも多方向から考える大切さ。
『御上先生』の場合は、クラスの生徒のうち
将来日本を背負って立つ子が
多くなるだろうと予想できたので
「しっかり考えて」と指導したのでは
ないでしょうか。
中学受験を経て入学する
中高一貫校は6年間という時間を
同じ場所で過ごします。
中学1年生で電車に乗り、
小学校の時はあまり出会わなかった
車いすユーザーの方、
視覚や聴覚に障がいがある方とも
多く接することになるでしょう。
高校受験で時間が
分断されないからこそ、
色々なことを知り、
学べる時間が多くあります。
自分たちがいる空間だけでなく、
そこ以外の場所にもしっかりと
目を配り、優しい優秀者・指導者に
なってほしいと私も思います。
ミュージカル『キャッツ』の『メモリー』を聴きながら読んでほしい
このお話のヒロインである六花は
中学2年生の時に病気で
車いすユーザーとなります。
小学1年生でミュージカル俳優になることを決め、
一生分の誕生日プレゼントと
クリスマスプレゼントと
お年玉もいらないから、
歌とバレエを習わせてほしいと
両親に頼みこみました。
しかし、中学2年生の時に病気が発覚し、
その夢は二度と叶わぬ夢となるのです。
そんな六花が好きな歌が
『メモリー』です。
「でもね、そんなグリザベラが、
阿部暁子『カラフル』より
満月の集会で歌うの。
どんなに美しい日々も過ぎ去っていくこと。
色褪せないものはないこと。
でも幸せの意味は、そうやって
毎日を思い出にしながら
生きていく中にあること。
どんなに疲れ果てて虚しくても、
また陽は昇って
新しい日が始まるということ。
<中略>
何かを失った人たち、
これから何かを失っていく人たち、
すべてのための歌なんだと思う、
この『メモリー』って」
六花が自分で想像している理由なのですが、
この文章は胸にくるものがありました。
私はまだ『キャッツ』は見たことがないのですが、
『メモリー』だけはとても素敵な歌だったので
知っていました。
『カラフル』の中ではほかにも、
『サウンドオブミュージック』や
『グレイテストヒューマン』の
『This Is Me』(多分)が
本の中に登場します。
これらの曲、
ぜひ聴きながら読んでみてください。
一度嫌な思いをしてしまうと、次が怖くなる
一人で登下校している
車いすユーザーの六花ですが、
駅ではホームと電車の間があいているため、
毎回駅員さんにスロープを
出してもらわなくてはいけません。
その駅員さんは長谷川さんという
おじさまなのですが、
とても良い方なんです。
私はこの長谷川さんの言葉に涙しました。
少し長いですが、引用させてください。
「ちゃんと伝えたことがなかったけど、
いつもスロープ、ありがとうございます」
長谷川さんは、ますます目をまるくした。
「いやーーー渡辺さん、お礼なんていらないんだよ。
これがわたくし長谷川の仕事なんだから」
「でも長谷川さんが
私ひとりのために
嫌な顔もしないで
スロープ出してくれるの、
本当にありがたかったんです。
……車いすを使うようになって
初めてひとりで電車に乗った時、
駅員さんに
迷惑そうな顔をされたことがあって、
本当はそれからずっと
電車を使うのが怖かったんです。
電車通学をすることになった時も、
また同じことがあったら嫌だなって、
すごく憂鬱だった。
でも入学式の日、待っててくれた長谷川さんが
『おはようございます』って笑顔で
言ってくれて、すごくほっとしました。
ーーーうまく言えないんですけど、とにかく、
ありがとうございます。
これからも、よろしくお願いします」
最後は彼女らしくもなく小さな声になり、
六花は一礼した。そしてハンドリウムを握って
阿部暁子『カラフル』より
方向転換しようとしたところに、
「渡辺さん」
と長谷川さんが声をかけた。
深くて落ち着いた、やさしいまなざしで。
「あのね、もしかしたらこの先も
渡辺さんは、いつかどこかの駅で
迷惑そうな顔をする駅員と会うかもしれない。
その時、きっと渡辺さんは
嫌な気分になるだろうし、
かなしくもなると思う。
でもどうか、失望しないで。
渡辺さんが当たり前に電車に乗って
好きなところへ行けるといいなって
考える人はたくさんいるし、
そのために働きかけて、
少しずつ色んなことを変えていこうと
している人たちもちゃんといる。
今渡辺さんに『ありがとう』って
言ってもらった私も、
もうすごくやる気が出ちゃったから、
がんばろうと思う。
だから渡辺さん、
未来を楽しみにしてね。
それがちゃんと素敵なものになるように、
私たちががんばるから」
それから長谷川さんは、
「さ、今度こそいってらっしゃい!」と
笑顔で手を振ってくれた。
入力していても涙が溢れてきます。
私も以前、次女の通級指導教室で
毎週金曜日、電車通学をしていたのですが
その時、駅でスロープを持って
待っている
駅員さんを見かけていました。
恥ずかしながら、私
それを見ることも初めてでした。
今までほぼ自動車生活だったので
見かけることがなかったんです。
(毎日同じ時間に待っているのだろうな)
と思ったのですが、
ふと、
(じゃあ乗り遅れたり、
休むときはどうするんだろう?)と
疑問にも思いました。
『カラフル』では、そうした時は
連絡(電話かな?)をするとありました。
それもすごく大変ですよね。
私はHSPなので、
たぶん六花ちゃんよりも
(悪いな)と強く思ってしまうし、
具合悪くて電話をするとかも
苦手です。
(毎日悪いな、機嫌悪かったらいやだな)と
思いながら、通勤・通学をするのは
多分心が耐えられません。
だからと言って、駅員さん側にも
色々と事情はあって、
たまたまその時、イライラしちゃって
いたのかもしれない。
確かに面倒だと思ってしまう
仕事なのかもしれません。
私が見た方々も長谷川さんのように
笑顔ではなかったし、
車いすユーザーの方も
会釈だけでした。
『カラフル』の世界の方が
現実ではありえないのかもしれません。
でも少しでもお互いが
気持ちよく、楽しく
電車を使ってほしいと願ってやみません。
最近は、
バスなど公共の乗り物にも
ノンステップバスとか
駅でも電車とホームの間が
狭くなっているところも増えています。
車いすユーザーの方はもちろん、
ベビーカーを使用するときにも
とても助かります。
私はなんの力も持てないですが、
困っている人がいたら
すぐ声をかけてあげられるおばさんに
なりたいです。
『カラフル』を読んだあとの声かけ例
「こういう場所は車いすの人が大変」とかって
つい言っちゃうよね。六花ちゃんじゃないけど、
『車いすユーザー』さん だよね。
本が始まってすぐ、
8ページで主人公の男の子が
「あんた車いすなのに」と言います。
そこで、
「あなたには私が車いすに見えるんですか?
そうなんですか、びっくり。でも私、
車いすじゃないですよ。
私は霊長類ヒト科ヒト属のホモサピエンス、つまり
人間であって、車いすじゃない」と言われるんです。
ここでもうこの物語に惹きこまれました。
『カラフル』はこんな人におすすめ
〇中学受験生~大人まで
〇特に高校1年生
〇ミュージカルが好き
〇車いすユーザーが身近にいる
〇挫折を経験したことがある

ぜひ多くの学生さんに
読んで頂きたい作品です。
舞台は高校なので
青春小説ではありますが、
大人でも十分泣けて、楽しめます。
それではまた。
ここまで読んでいただき
ありがとうございました。
HSP・HSCとは
ひといちばい敏感な子
(Highly Sensitive Person・Child)のことです。
音や匂いにとても強く反応したり、
他人の感情を自分のことのように感じたり、
影響を受けてしまう”繊細な気質”を表す言葉です。
一説には人口の15~20%、
5人に1人はHSPだと言われています。
HSPのおもな4つの特徴
①過剰に刺激を受けやすい
日常的に街にあふれる音が、
騒音に感じられる。
人混みが苦手。
友だちと過ごすのは楽しいが、
疲れてしまう。
音楽や映画、物語に感動しやすい。
②丁寧で深い情報処理ができる
ナンバープレートや電話番号などの
意味のない数字の並びに
意味を見出そうとする。
いろんな視点で物事を考えて、
調べものをはじめると止まらない。
③感情の反応が強く、とくに共感力が高い
誰かの悲しい顔を見ると、
同じように悲しくなるし、
誰かが怒られていると、
自分が怒られている気分になる。
イライラしている人のそばに
いると怖くて辛くなる。
人のちょっとした仕草
(貧乏ゆすりとか舌打ちとか、
ペンを机に当てる音とか)が気になる。
④ささいな刺激にも反応する
強い光や日光、暑さが苦手。
カフェインなどを摂ると、
身体が敏感に反応して
眠れなくなったり
お腹が痛くなったりする。
小さな環境の変化にすぐ気づく。
服のチクチクする触感が苦手。
<私の自慢できる特性はこちら>
☆感受性が強く、
豊かな想像力がある。
☆人を思いやることができる。
☆気遣いができる。
☆小さなミスや改善できる部分に気づける。

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