
小学生に大人気の「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂シリーズ」です。
小学生高学年、中学生くらいにおすすめです。
大人が読んでも楽しめます。
あらすじ
発売日:2022年9月
駄菓子の商品会議で、企画が出なくなった招き猫たちに、紅子は過去の思い出を語りはじめる。なにかアイデアの参考になるかもしれないからだ。紅子はそのむかし、行商スタイルで、ひとり駄菓子を売っていた。
偕成社ホームページより
この巻では、エピソードごとに、その時代の紅子の思い出が語られる。
・妖刀糖(戦国時代)
・舌鼓(江戸時代)
・写し柿(江戸時代)
・夢あめ(大正時代)
・育て手(昭和 高度成長期)
・景気ケーキ(昭和 バブル期)
最終話は、紅子と墨丸の出会い、銭天堂のお店をかまえるまでを描く。
著者について
廣嶋玲子
著・文・その他
神奈川県生まれ。『水妖の森』で第4回ジュニア冒険小説大賞、『狐霊の檻』で第34回うつのみやこども賞受賞。作品に『送り人の娘』「おっちょこ魔女先生」シリーズ、『盗角妖伝』、『怪奇漢方桃印』、「秘密に満ちた魔石館」シリーズ、「十年屋」シリーズ、「鬼遊び」シリーズ、「妖怪の子預かります」シリーズなどがある。
jyajya(ジャジャ)
イラスト
福岡県生まれ。2011年にフリーデザイナーとして独立。現在は、イラスト制作などで活躍の場を広げている。絵本作品に『2ひきのすてきなおくりもの』文/廣嶋玲子、「森のクリーニング店 シラギクさん」シリーズなどがある。
http://www.juno.dti.ne.jp/~jyajya/
読み終えた感想
今回は戦国時代~昭和時代までのお話が一話ずつ入っていました。
一体、紅子さんはおいくつなのだろうかと不思議になります(笑)
廣嶋玲子さんの物語を姫たちは大好きです。
「秘密に満ちた魔石館」のシリーズ
「十年屋」シリーズ
「妖怪の子預かります」シリーズ
は読んでいます。
私も時間があるときは読むのですが、今は「十年屋」と、この銭天堂くらいしか読めていません。
この紅子さんの言葉、「ござんす」は
日本史では安土桃山時代~江戸時代に使われていた言葉のようです。
中学受験でも国語は色々な時代背景の長文読解がでてくるので、
そういう点でも銭天堂は良い読書だと思います。
「妖刀糖」とは、刀鍛冶にとっては夢のようなお菓子でござんす。食べればかならず、妖刀すらきたえられる達人になれるんでござんすからね。だからといって、おごりたかぶり、それまでこなしてきた仕事をおろそかにしようものなら、たちまちその力はうしなわれてしまう。そういう効果をもたせたのでござんす。小さなつみかさねをだいじにしない者に、刀にたましいを吹きこむことなど、できるわけがござんせんもの。
廣嶋玲子『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂18』より
今は電話やネットがあるから、いつでもどこでも遠くにいる家族と話せるし、顔を見ることもできましょう。でも、そういうものがなかった時代は、せつない思いを味わう人が多かったんでござんす。だから「夢あめ」をつくったんでござんすよ。
廣嶋玲子『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂18』より
そう。子どもの可能性は無限でござんす。そのことに気づけず、自分の理想をおしつける親御さんが、なんと多いことか。忠告しても、子どもを思いどおりに育てるのにつかおうとする人があとを絶たなかったので、「育て手」は早々に封印したんでござんすよ。
廣嶋玲子『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂18』より
このように大人が読んでもはっとさせられるお話が出てきます。
姫たちは「なんでいつも忠告を聞かないんだろう」
「絶対説明書は最後まで読まなきゃだめだし、ちゃんととっておかないとダメだよね」など、
読むと毎回ぶちぶち文句を言っています。
こひめのおすすめポイント
わが家ではみんなが同じ本を読んだあとは、必ず家族で話し合います。
たとえば、『ふしぎ駄菓子屋銭天堂』の場合は、
「どの駄菓子が欲しくなったか」
「どうして〇〇を買った子は不幸になってしまったのか」など、
自分の言葉で説明してもらいます。
こうすることで、相手にわかりやすく話すにはどうしたら良いかを考え、
順序立てて整理をして話すことができます。
この話し合いをいつも楽しみにしています。
最近は学校のクラスでも短縮された言葉で話していますし、
話し言葉と書き言葉は違うということを知らずにいる子もたくさんいます。
国語はとにかくすぐに身につくものではありません。
勉強したからといってすぐに成績にあらわれるものでもありません。
こうして幼いころから、たくさん本を読んで、
その内容を話すことって大事だなと思います。
本をただ読むだけでなく、それを話すことで理解力も高まると思うのです。
中学受験を考えている方は是非、本を読んだときに
どんな内容だったのかをお子さんに聞いてみてください。
その際、この銭天堂は内容を話しやすいので、
とっても楽しめると思います。
それではまた。ここまで読んでいただきありがとうございました。

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