【中学受験生・高校生におすすめの本】寺地はるな『水を縫う』

10歳~12歳のあなたへ
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2021年の中学受験(国語)で
多く出題された作品です。

千葉県:「市川」「東邦大東邦」、
神奈川県:「中央大付属横浜」
サレジオ学院」「横浜共立学園」、
東京都男子校:「海城」「高輪
東京都女子校:「三輪田学園」「大妻
福岡県「久留米大附設」など。

2022年にも「文教大付属」
などで出題されています。

〇中学受験を考えている小5~6年生

〇主人公と同じ高校1年生

〇「男らしく」「女らしく」って何?


〇自分が置かれている状況に

なんか納得がいかない

という方におすすめです。

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ただし、おすすめ商品や掲載位置について提携先などの関与はありません。

私が実際に読んで良いと思ったものを、
ホームページなどをチェックしてからおすすめしています。

<私はこんな人です>

・HSP 内向型
・タイプの違う2人のHSC子育て中
・本好き歴 41年
・京都の短大卒
・読書記録 15年間
・小学校での絵本アドバイザー活動 2年


B型でひねくれものなので
発売されたばかりで
題名を聴いたことがある本よりも、

今現在は埋もれてしまっている
良い本を紹介したい

思っています。

図書館に置いてある本
(すぐ予約できる本)を
中心にご紹介しています。



幼い頃から本が
大好きだった私。
国語の成績はいつも
トップ層でした。

私立女子中に通う
中1長女(いちひめ)、

2026年中学受験予定
小5次女(ひめ)も本が大好き!

国語の成績だけは毎回
偏差値60を越えます。


読んだ本すべてを手に入れたら
確実に破産するので
ほぼ毎週
図書館通いの我が家ですが、

購入した本・手元に残したい
と思った本を
ブログ『読書きろくノート【こひめ家の本棚】』で
紹介しています。

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あらすじ

2020年5月26日 発売   2023年5月19日 文庫本発売

松岡清澄まつおかきよすみ、高校1年生。
1歳の頃に父と母が離婚し、祖母と、市役所勤めの母と、
結婚を控えた姉の水青みおとの四人暮らし。

学校で手芸(刺繍)好きをからかわれ、周囲から浮いている清澄。

結婚式を控えているが、
”かわいい”ものや華やかな場が苦手な姉。

気に入るウェディングドレスがないと話す姉に
「そしたら僕、僕がドレスつくったるわ」と、
ウェディングドレスを手作りすると宣言するが
母・さつ子からは反対されて――「第一章 みなも」。

いつまでも父親になれない夫と離婚し、必死に生きてきたけれど、
息子の清澄は扱いづらくなるばかり。
そんな時、母が教えてくれた、子育てに大切な「失敗する権利」とは――「第三章 愛の泉」。

ほか全六章。

「男なのに」「女らしく」「母親/父親だから」。

そんな言葉に立ち止まったことのあるすべての人へ贈る、
世の中の〈普通〉を踏み越えていく、清々しい家族小説。

第9回河合隼雄物語賞受賞作。

スキマ時間を有効利用

著者

寺地はるな(てらち・はるな)

1977年佐賀県生まれ。大阪府在住。
会社勤めと主婦業のかたわら小説を書き始め、
2014年『ビオレタ』でポプラ社新人賞を受賞しデビュー。

『大人は泣かないと思っていた』『正しい愛と理想の息子』
『夜が暗いとはかぎらない』『わたしの良い子』『希望のゆくえ』など著書多数。

読んだ感想

親子の確執や友情、
「男らしさ」「女らしさ」のジェンダーなど、
盛りだくさんな内容でした。

というのも、
第6章までありますが、
それぞれの章で主人公が変化していきます。


第1章では、高校一年生の清澄きよすみ
第2章では、結婚を控えた清澄の姉・水青みお

第3章では、二人の母・さつ子、
第4章では、二人の祖母・文枝ふみえ

第5章では、二人の父・ぜんとその友達・黒田、
第6章は、それぞれがまとまる形(といったらよいのか)で
物語は終わります。

環境が変われば人も変わる、今辛くても未来まで辛いわけではない

いつも、ひとりだった。

教科書を忘れた時に
気軽に借りる相手がいないのは、
心もとない。

ひとりでぽつんと
弁当を食べるのは、わびしい。

でもさびしさをごまかすために、
自分の好きなことを
好きではないふりをするのは、

好きではないことを
好きなふりをするのは、
もっともっとさびしい。

好きなものを追い求めることは、
楽しいと同時にとても苦しい。
その苦しさに耐える覚悟が、
僕にはあるのか。

<中略>

「え、めっちゃうまいやん。
松岡くんすごいな」

そのメッセージを、
何度も繰り返し読んだ。

わかってもらえるわけがない。
どうして勝手に
そう思いこんでいたのだろう。

今まで出会ってきた人間が、
みんなそうだったから。
だとしても、宮多は彼らではないのに。


寺地はるな『水を縫う』より

この瞬間、どれほど清澄は驚いて、
そして救われただろうと思いました。

中学までずっと馬鹿にされていても、
場所が変われば人も変わる

今、仲の良い友達が出来なくても、
たとえいじめにあっていたとしても、
場所(環境)が変われば
味方があらわれるかもしれない。

私もそうでした。
そして、姫たちにもそうであってほしいと願い、
中学受験を頑張っています。

中学受験を目指したきっかけはこちらに詳しく書いています

自分の名前の由来

「流れる水は、けっして淀まない。
常に動き続けている。
だから清らかで澄んでいる。

一度も汚れたことがないのは
『清らか』とは違う。
進み続けるものを、
停滞しないものを、
清らかと呼ぶんやと思う。

これから生きていくあいだに
たくさん泣いて傷つくんやろうし、
くやしい思いをしたり、
恥をかくこともあるだろうけど、
それでも動き続けてほしい。

流れる水であってください。
お父さんからは以上です。

寺地はるな『水を縫う』より

この場面は良かったです。

名前の由来って
私が小学生の頃は親に聞いてきて、
授業で発表することがありましたが
現在はあまりそういうことを
やらないんですよね。
(姫たちの学校だけかもしれませんが)

どうしてその名前をつけたのか、
私はちゃんと話して聞かせています。

そして、その名前に
恥じない人になってほしいと。


「優秀」とか「賢い」とかではないので、
猛勉強しなくてはいけないわけではないのですが、
2人はそれぞれ自分の名前を気に入ってくれているので、
名付け親の私はとても嬉しいです。

私も「流れる」「水」という字には、
二人のお母さんのさつ子さんと同じで
あまり良いイメージではなかったのですが、

お父さんの言葉を聞いて
「なるほど、そういう意味にもなるのか」と
違った観点から
見ることができました。

時代によって変わる「イメージ」「先入観」


この本のテーマにもなっている、
「イメージ」「先入観」
大人になるにつれ、
凝り固まっていくものですね。



私はそうありたくない
(凝り固まりたくない)と
常に思っているのですが、
出来ているかはわかりません。

色々な角度から物事を
俯瞰的にみるようにはしていますが、
これからは更に気を付けなくては
いけないなと思っています。


「男らしさ」、「女らしさ」、
「それは仕事として認められるのか」、
「年齢で諦めることはしていないか」・・・・・・。

少子高齢社会に突入した日本では
こういったことに対する
偏見などが増えてくるのかもしれません。

みんな自分が生きてきた人生に
自信を持っているし、
それが泡のように
なかったかのようにされたら、
そりゃあ怒りもわいてくるでしょう。

でも時代は変わる。

その変わり方を
文枝おばあちゃんのように
プラスにとらえられるように
いつもいたいものです。

『水を縫う』はこんな人におすすめ

〇中学受験を考えている小5~6年生

〇主人公と同じ高校1年生


〇「男らしく」「女らしく」

「母親・父親らしく」って何?

〇自分が置かれている状況に

なんか納得がいかない

という方に読んでほしいおすすめの一冊です。

きっとこんな生き方(考え方)
もあるんだと思えて、
もやもやした心が
少し楽になるかもしれません。

それではまた。
ここまで読んでいただき
ありがとうございました。

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